相続する土地の価額はどう評価するのか?

遺産を分配する前提として、遺産の経済価値を適切に評価するということが重要なステップとなります。ですが、遺産の評価については相続人間で主張が対立してしまうケースが少なくありません。特に土地の場合は、経済価値が大きくなりがちである反面、いろいろな評価方法があるため、当事者間で見解が対立しやすい問題となります。

この記事では、土地の評価方法についてご紹介していきます。

土地については4つの評価方法がある

土地の評価の基準には、次のようなものがあります。

  • 地価公示価格
  • 固定資産税評価額
  • 路線価(相続税評価額)
  • 時価

なお、遺産の評価は、通常、遺産分割時(分割する時点)を基準とします。

地価公示価格

地価公示価格は、国土交通省の土地鑑定委員会が特定の標準地について毎年1月1日を基準日として公示する価格です。

一般の土地取引の指標となるとともに、相続税評価や固定資産税評価などの基準ともされています。もっとも、対象とされる土地は多くありません。

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、固定資産税を算出する際に基準とされている価額のことで、市町村(東京23区の場合は東京都)が決定します。

土地の固定資産税評価額は、地価公示価格の70%を目処に設定されていますので、これを0.7で割り戻すと時価に近い額になるといわれています。

路線価(相続税評価額)

相続税や贈与税等の算出の基準とされる価額で、国税庁が公表しています。

路線価は毎年評価替えされますので、地価変動を比較的敏感に反映しているということができます。また、地価公示価格の80%を目処に設定されていますので、これを0.8で割り戻すと時価に近い額になるといわれています。

時価

時価は、実際に市場で取引される場合の価額です。不動産業者に無料査定をしてもらうなどして金額を具体化します。

この評価方法による価額が一番高額になりがちといえますが、不動産業者によってかなり査定額が変わってしまうということも往々にしてあります。

評価方法・評価額は話し合いによって決定するのが望ましい

遺産分割は、相続人全員の合意のもとで実現するものです。遺産をどのように評価するかという評価方法ないし評価額についても、相続人全員が合意できるのであれば、どれを選択してもかまいません。

しかし、遺産の評価方法については、相続人間で大きな対立が生じることがあります。例えば、特定の相続人が不動産を取得する代わりに他の相続人に対して代償金を支払う「代償分割」の場合、不動産を取得する相続人は、代償金の額を少なくするため、その不動産をできるだけ低く評価したいと考えます。他方、代償金を受け取る側の相続人は、その不動産をできるだけ高く評価して代償金の額を増やしたいと考えます。

土地の評価方法はひとつに決まっているわけではなく、しかも評価方法によって金額にかなりの差が出てくることもありますので、利害が対立する相続人間ではなかなか話し合いがまとまらないという事態も起こり得ます。

調停での話し合いでもまとまらない場合は、不動産鑑定士による鑑定を行わざるを得なくなりますが、不動産鑑定にはそれなりの費用がかかり、最終的にはそれぞれの取り分から清算されることになります。

鑑定費用がかかってしまうことは全員にとって望ましいことではありませんので、遺産の評価方法ないし評価額については、できるだけ話し合いによる合意形成を目指した方がよいといえます。

借地権負担付きの土地の評価方法

借地権負担付きの土地の評価額は、更地価格から借地権価格を控除して算出します。

借地権価格は更地価格に借地権割合を乗じた価格であり、路線価図に記載された借地権割合を用いるのが一般的です。

使用借権負担付きの土地の評価方法

使用借権とは、土地を無償で借りる権利です。使用借権負担付きの土地の評価額は、更地価格から使用借権割合(更地価格の1~3割程度)分を控除して算出することが多いといえます。

抵当権が設定されている土地の評価方法

抵当権によって担保されている債務(被担保債務)の債務者が被相続人である場合には、基本的には土地の評価額に影響を与えません。ただし、一部の相続人が返済をすべて引き受けるなどの事情がある場合には、話し合いにより土地の評価額から被担保債務額を控除するということもあり得ます。

被担保債務の債務者が第三者である場合には、債務者の支払能力によって結論が変わり得ます。債務者の支払能力が完全に欠如していることが明らかな場合には土地の評価額から被担保債務額を控除し、そうでない場合には控除しないという扱いが一般的です。

相続における土地の評価は弁護士にご相談ください

遺産の中に土地がある場合、それをどのように評価するかは遺産分割において重要な協議事項のひとつとなります。協議にあたってどういう資料を揃えるべきか、どのような評価方法を選択するべきか、相続人間で主張が対立した場合、どの段階でどの程度妥協すべきか(あるいはしないべきか)といったことは、一般の方にはなかなか判断が難しいかもしれません。

弁護士に依頼することで、実務経験に基づく有益なアドバイスが得られ、無駄に協議が長期化してしまったり、または必要以上に妥協してしまうということを避けられる可能性が高まります。遺産に土地が含まれている場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

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