遺産分割協議のやり方について

相続が開始されたが遺言はないという場合には、どのように遺産を分けるかについて相続人間で話し合いをする必要があります。この話し合いが「遺産分割協議」です。

この記事では、遺産分割協議に必要な事前準備や進め方について、ぜひ知っておいていただきたいことをまとめてご紹介します。

遺言書がない場合は遺産分割協議を行う

共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合以外は、いつでも、共同相続人間の協議(話し合い)によって、遺産の分割をすることができるとされています(民法907条1項)。

遺言があれば遺言の内容が優先されますので、遺言にすべての遺産の分け方が漏れなく記載されていれば、遺産分割協議は不要となります。しかし、例えば遺言の内容が各相続人の相続割合を指定しているだけという場合には、実際に遺産をどう分けるかについて協議が必要となります。また、遺言の内容に含まれていない遺産があるという場合にも、その財産の分け方について協議が必要となります。このように、遺言があるからといって必ずしも遺産分割協議が不要になるというわけではありません。

遺産分割協議までに済ませておくことは?

1.遺言書の有無の確認

遺言書があれば、基本的には、遺言書の内容に従って遺産が分割されることになります。ですから、まずは、遺言書の有無を確認しなければなりません。遺産分割協議を進めてしまった後に遺言書を持ち出すのはトラブルのもとですので、あらかじめきちんと確認しておくことが大切です。

なお、遺言には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。

2.遺言書の検認

上記3種類のうちの公正証書遺言以外の遺言については、相続開始後ないし遺言書発見後、遅滞なく、家庭裁判所に「検認」の手続を請求しなければなりません(民法1004条1項)。また、封印のある遺言書は、家庭裁判所において開封しなければならないことになっています(同条3項)。検認を経ないで遺言を執行したり、家庭裁判所の手続外で遺言書を開封してしまった場合には、5万円以下の過料に処せられることがありますので(同法1005条)、注意が必要です。

相続人と相続財産の調査・確定

遺産分割協議を進める前に、法定相続人に当たる人は誰なのかを、戸籍をたどって漏れなく確認しなければなりません。遺産分割協議は、すべての相続人が参加して行われなければ無効になってしまうからです。

また、どのような相続財産があるのかを確定しなければ、分け方を話し合うこともできませんので、相続財産の調査、確定も欠かせない作業です。相続財産を把握できていない場合は、固定資産税等の納税通知書や名寄帳から不動産を探したり、被相続人が預金を持っていた可能性のある金融機関に照会したりして調査を行います。

遺産分割協議の流れ

遺産分割協議は、おおむね以下のような流れで進めていきます。

①相続人全員への連絡

遺産分割協議には、相続人全員が参加する必要がありますので、まずは全員に連絡をしなければなりません。連絡先がわからない相続人がいる場合は、その人の戸籍の附票を取り寄せて住民票上の現住所を調査します。

②話し合い

全員と連絡がとれるようになったら、話し合いを進めます。方法に決まりはありません。一堂に会して直接話し合いをしてもよいですし、手紙や電話で順次話し合いを進めていくという方法もあり得ます。

それぞれの主張、言い分がばらばらでなかなかまとまらない場合には、弁護士に交渉を依頼することをご検討ください。正確な法的知識をもった弁護士が関与することで話し合いが進むこともありますし、それでもまとまらない場合は、すぐに次の段階(調停手続)に移行することができます。

遺産分割協議書の作成

遺産をどのように分けるかが決まったら、相続人全員で遺産分割協議書を作成します。合意の内容を書面にまとめておかなければ後のトラブルにつながりますので、遺産分割協議書は必ず作成しておかなければなりません。また、相続財産の登記名義を変更したり預貯金を払い戻したりする場合にも、通常は遺産分割協議書が必要となります。

内容が複雑になる場合は、後のトラブルを避けるためにも、専門家に作成を依頼することをおすすめします。場合によっては、まずは自分で作成してみて、弁護士のチェックを受けるという方法をとることも考えられます。

話し合いがまとまらないときや話し合いができないときは調停や審判で解決する

相続人の間での話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。

家庭裁判所における調停手続では、調停委員や裁判官が当事者から直接事情を聴いたり、当事者から提出された資料を確認したりして、それぞれの言い分を調整していきます。基本的には話し合いの手続なのですが、公平中立な立場の裁判所からも適宜意見を提示してもらえるという点が、任意交渉の場合とは大きく異なります。

調停でもなお話し合いがまとまらなかったという場合には、調停は自動的に審判に移行し、最終的には裁判官が判断を下すことになります。

なお、裁判所を介しない交渉で合意が形成された場合には遺産分割協議書を作成しますが、調停で話し合いがまとまった場合には「遺産分割調停調書」が作成されます。審判まで進んだ場合には「審判書」が作成されます。

遺産分割協議は弁護士にご依頼ください

すでにみたように、遺産分割協議は、遺言がない場合には欠くことのできない手続となります。しかし、遺産分割協議をまとめるためには、事前準備も含めてかなりの作業が必要となります。正確な法的知識や実務知識が要求される場面も少なくありません。

弁護士に依頼してしまえば、多くの手間を減らし、ミスや無駄を避けることも可能となります。また、一部の相続人に言われるままに遺産分割協議書に署名押印してしまうと、本来取得できたはずの財産を取得できなくなってしまうリスクが生じますので、遺産分割協議が必要になった場合には、ぜひ早めに弁護士にご相談ください。

 

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